どうも。ヤミツキマツモトのコムさん(@infyami2ki)です。
松本市のお正月の終わりを告げる年始のイベントの1つに「三九郎」と呼ばれる行事があります。
松本市民にとっては幼少の頃より当たり前のように行われているイベントの1つですが、よくよく考えてみると「三九郎っていったい何なの?」といった疑問が浮かんできます。
今回は、三九郎とはそもそもどんなものなのか細かく見て行こうと思います。
「三九郎」ってそもそもどんな行事?「どんど焼き」とは違うの?
三九郎は正月も開けた1月中旬に正月飾りやダルマ、書初め等を盛大に燃やすイベントの事です。
「三九郎」と呼ぶのは長野県の中信地区のみのようで、他のエリアでは一般的に「どんど焼き」と呼ばれて親しまれております。
何故「どんど焼き」のことを長野県中信地区では「三九郎」と呼ぶの?
これも諸説あり、はっきりしたことはわからないようですが以下の説があるようです。
・道祖神の「神主福間三九郎」のお札が配られたことによる人名説。
・三九郎と呼ぶ木製の人形を備えることから人形名に起因する説
・凶作・重税・疾病の三つの苦労=三九郎とする説。
・三本の柱を立てて九段に横木を渡す説。
・松本城を築いた石川氏時代の文書に三九郎という人物が三人登場していることから、石川氏との関係が深いのではという説。
あれ?以前はもっと遅い時間に点火していませんでしたか?
私が幼少の頃は夕方18時頃から点火して暗い中地域の人が集まるキャンプファイヤー的な要素があった気がしますが(私感)、現在はほとんどの地域で明るいうち(お昼前後)に点火することが多いようです。
また三九郎の日も同じ松本エリアでも数日に分けて開催されているようです。
三九郎に張り付いてくださる消防の方の人数も限られているので日も分かれているとかいないとか。
形は少しづつ変わってはおりますが、歴史的には300年以上前から行われている火祭りの1つで深く松本市民に根付いているお祭りの1つと言えるでしょう。
三九郎にも歌があるって本当?
私の幼少期に私の住むエリアには歌を歌う習慣は御座いませんでしたが、地域によっては三九郎の歌なるものを歌って練り歩く地域もあるそうです。
最もポピュラーとされている歌は「三九郎 三九郎 じいさん ばあさん 孫つれて お団子焼きにきておくれ」と言う歌詞の物のようですが、地域によって様々な歌が歌われていたとの事。
Twitterで色々な方から情報をいただきましたが、どの情報も「三九郎 三九郎」から始まること、「おじいさんやおばあさんに孫を連れて参加を促す内容が含まれる」などの法則性が見られました。
中には「〇時にやるから~」等具体的な時間を歌に盛り込んだりするものもあるようです。
あなたの地域の三九郎は「三九郎の歌」歌いますか?
歌詞もわかればリプ頂ければ幸いです!— ヤミツキマツモト公式 (@InfoYami2ki) 2019年1月14日
Twitterで行ったアンケートでは現在ほとんどの地域では歌は歌われていなくなっている可能性が高いです。
音程付で動画も寄せていただくなど貴重なお話もいただけましたので機会が御座いましたら改めてyoutubeの動画としてバンド形式でお届けできればと思います。
そもそも三九郎は何をするためのお祭りなの?
三九郎は前述の通り正月に使うもの等を燃やす大きな焚き火的な行事です。
正月飾りなどを燃やした三九郎の日は神聖なものとされているようです。
その神聖な炎で「繭玉(まゆだま)」と呼ばれる団子状の物を焼いて食べることにより「1年中風邪を引かない」「虫歯が治る」などとされております。
その他にも「書初めを燃やすことによって字が上手くなる」「火の粉が高く上がると豊作が期待できる」等「無病息災」「五穀豊穣」を願った火祭りが三九郎(どんど焼き)の本質の様です。
ちょっとまって。三九郎で焼く「繭玉(まゆだま)」って何?どうやって作るの?
繭玉は、簡単に言うと米粉で作った団子のようなものです。
作り方も複雑なものでは無く、以下の工程で簡単に作れます。
- 米粉に少しづつぬるま湯を加えて混ぜる
- こねて耳たぶくらいの硬さにする
- 何個かにちぎって分け、食紅で色を付ける
- 蒸し器で20~30分程蒸す
- 蒸しあがったものを成型する
- 完成!
この繭玉を柳の木に刺して焼くのがスタンダードな三九郎の楽しみ方です。
食紅を使いカラフルに色付けされているのも特徴です。
(2024/10/09 05:09:33時点 Amazon調べ-詳細)
この時期になると各スーパーやコンビニなどでも柳の木が売られたり、繭玉も市販で済ませると言う方も少なくないと思います。
最近では繭玉以外の物を焼くのも定番化してきており、お餅やウインナー、マシュマロ、スルメなどを炙っている姿をよく見かけます。
せっかくの大規模な焚き火ですのでヤミツキマツモトも新時代の三九郎を楽しむべくアウトドアグッズを持ち込んで調理を試みました。
規模が大きく火に近づく事すら容易では無いため、計画は失敗に終わりました…
松本市で行われている「三九郎」は思いの詰まった伝統行事だった!
いかがだったでしょうか。
「無病息災」「五穀豊穣」などを願う火祭りとして松本市に定着している「三九郎」。
子供達も楽しく参加し、今となってはなかなか学べない「火」との付き合い方も学べる場になっているように思います。
今の形に固執せずに、本質をしっかりと伝えた上で時代に沿った無理のない伝統行事が続いて行けば最高だと個人的には思う次第でございます。
⇩詳しくはyoutubeの動画をどうぞ…(泣)⇩
「あまり参加したことないよ~」と言う方も気軽な気持ちで一度参加してみてはいかがでしょうか?